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2025年9月3日 · 読了時間: 3分

カスタマーサクセスとAI:できること、まだできないこと

先日、カスタマーサクセス(CS)の実務者の方々が「AIを仕事にどう活かせるか」を考えるワークショップに、オブザーバーとして参加しました。

参加者の多くは、会社からチャット型のAIツール(おそらくChatGPT)へのアクセスを与えられていて、活用を後押しするプロンプト集が用意されている場合もあるとのことでした。しかしそれ以上のこと、つまり会社主導で業務フローが変わった例はほとんど見られませんでした。皆さん、ただでさえ手一杯の日々の業務を少しでも楽にできないかと、皆さんそれぞれ自力でAIの使い方を模索しているのが現状でした。

参加者の方たちは誰よりも顧客に近い人たちであり、全員が「できればAIで、自分たちの仕事をもっと効率化したい」と純粋に考えていました。

カスタマーサクセスにおけるAIの可能性

会話の中から出てきた、カスタマーサクセスの方々が実際に使っている(または使えそうだと考えている)ユースケースをご紹介します。

  • 1件あたりの対応時間の短縮:AIに返信のドラフトや解決策の候補を出させることで、顧客対応1件ごとの時間を減らせる。
  • プロダクトやサービス改善のためのデータ収集:会話を要約し、繰り返し現れる課題を浮かび上がらせることで、プロダクトチームや研究開発に共有できる示唆が得られる。
  • 社内報告書の叩き台生成:顧客との会話に関する報告書の叩き台を自動生成することで、顧客の満足度の把握、解約リスクの検知、フォローアップが必要なタイミングの発見につながる。

限界と懸念

一方で、課題についてもはっきりとした声が上がっていました。

  • 曖昧な問い合わせには弱い:顧客は十分な文脈なしに連絡してくることが多く、CS担当者は最初のやり取りで「本当は何に困っているのか」を確かめることに時間を使います。AIも原因の候補を提示はしますが、参加者の実感では、その推測はたいてい的外れ。核心にたどり着くための確認のしかたに関しては、今も人間の方が上手だという意見が多かったです。
  • 顧客は人間を求めている:相手が本物の人間であることを望む顧客はまだ多く、AIっぽい対応はすぐに見抜かれます。少なくとも参加者の方々の実感としては、顧客満足の観点から見ると、AI化による効率を正当化するのは難しいとのことでした。
  • 立ち止まる余裕がない:CSチームは日々の実務に追われ、業務フローを見直してAIの位置づけを戦略的に考える余裕がほとんどありません。良いアイデアが浮かんでも、「AI導入が業務全体をどう改善するのか、上司には伝わらないだろう」と皆が感じていました。
  • 必ず検証が必要:これは多分CSにおいてのAIの使い方において、最も重要な点です。話を聞いたCSのほとんどの方たちが、AIの出力を鵜呑みにすることはないと言い切っていました。何かが「おかしい」ときは経験でわかる。AIは作業を速めるための道具であって、判断の代わりではない、とのことでした。

GetItDoneWith.AIの考え

AIはCSチームの時間を節約し、示唆を生み、より良い顧客対応を支えることができます。ただしそれは、人間の判断と経験がセットになっていればこそ。CSの核心は共感と理解であり、AIはあくまで優秀なアシスタントで、主役ではありません。

私はAIを推進する立場ですが、この点は参加者の皆さんに完全に同意します。CS業務全体をAIで置き換えるべきではありません。AIが効率化できるのは業務の一部であって、すべてではない。少なくとも、今はまだそう言えると思います。

「AIで終わらせる」ことは、「すべてをAIでやる」ことではありません。人の温かみ、プロフェッショナリズム、そして採算の合うAI活用。このバランスの取れた、質の高い顧客対応をつくることにこそ価値があります。

カスタマーサクセスの実務者の方も、CSチームの働き方をAIで良くできないかとお考えの経営者の方も、ぜひ一度ご相談ください。御社にとって最適な形を一緒に考えましょう。

GetItDoneWith.AI — Knowledge to Action2025年9月3日