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2026年11月4日 · 読了時間: 3分

AI導入、100%完了。その次にあるものは?

先日、大手テクノロジー企業2社(日本企業1社、米国企業1社)のAI導入に関わるシニアリーダーたちと、少人数のクローズドな議論に参加しました。

誰が参加していたか、何が話し合われたかは詳しく書けませんが、誰も明確な回答ができなかった問いがあります。

AI導入のROIは?

多くの企業がまだ目指している段階を超えた会社

その日本企業は、2023年から率先してAI導入を進めており、すでに多くの会社がまだ苦労している段階を超えています。1万人ほどいる社員全員が、AIを日常的に使っているのです。ただ試しているだけでなく、チーム横断で共有されているエージェントを使う社員も、個人の業務を支援するエージェントを使う社員もいます。そこに辿り着くまで、何年もかけてきたそうです。

でも経営陣から問われて困っていることがあるといいます。

AI導入の、ROI。

まだ、うまく答えられていないとおっしゃっていました。

なぜこの問いは難しいのか

AIのおかげで、同じ時間でできる仕事量が大幅に増えているのは事実です。問題は、その生産性の向上が何につながるのか。

同じ人数が、同じような職務・肩書き・給与・組織構造のまま残っていたら、生産性が上がっても財務的リターンにはなりません。より多くのアウトプットを出す、採用を絞る、社員をより高付加価値の仕事に移す、質やスピードを改善する、組織を変えるなど、別の取り組みを進めなくてはいけないのです。

日本で特に難しい理由

これが特に難しいのが日本です。大規模な人員再編は、他の多くの市場に比べて、日本ではかなり難しい。自然な対応として考えられるのは、採用を減らしつつ、既存社員のリスキリング(違うスキルの習得)を進めることです。長年にわたり社内で人材を育て、異なる部門に人を動かしてきた経験を持つ会社が多い日本では、これはそこまで難しくないのかもしれません。

ただ、私には一つ気になることがあります。生産性の向上幅が、再配置できる仕事量を超えてしまったら、どうなるのか。

これはフェーズ1の終わりに過ぎない

答えはまだありません。ただ確かなのは、全員にAIを使わせることがAI変革の完了ではない、ということです。それはフェーズ1の終わりに過ぎないと思います。

AIが「一人ひとりができる仕事量」を本当に変えてしまったとき、次の問いが来ます。その結果として、組織の何を変えますか?

AI導入は技術の問題でもありますが、AIの価値を取り込むのは経営の問題です。そして大企業はまだ、そこに答えを出せていません。

小さな組織のほうが、速い

私は大企業とも中小企業ともお仕事をしていますが、AI化の影響が大きいのはやはり小さな組織です。動きが速く、AIの価値を直接取り込みやすい。

日本の大企業の成功事例が出てくることを、期待しながら見ていますが、AIのROIに影響を与えるほどの大規模な組織改革を行っている企業はまだいない印象です。

では、そういった大規模な組織改革ができない日本で、AI導入のリターンをはっきり見せることはできるのでしょうか。

技術と人材は、セットで考える

複雑な問題ではありますが、だからこそ私は技術導入と人材管理は一緒に考えるべき、と考えています。

決定権を持つ経営者、AI導入に詳しく経営も理解するプロ人材、そして技術に長けた人たち。この3者が一緒になってAI導入を進めることで、真のROIをもたらすことができるのではないかと思います。

皆さんの会社では、AI導入のROIをどう測っていますか。そして、次の一手は何でしょうか。

GetItDoneWith.AI — Knowledge to Action2026年11月4日